円盤に乗る派 extra 『MORAL』

(如月小春作『MORAL』より)

会期

2022年11月19日(土)~20日(日)

会場

BUoY

誰しもが「都市」を内に抱えた21世紀に、如月小春の言葉はいかに響くか?

『MORAL』は1984年から1986年にかけて、如月小春の主宰する集団「NOISE」によって形を変えながら上演された作品です。断片的なイメージ、ぎくしゃくとした発話や身体、モニターを用いた映像の多用など、当時の先鋭的な表現が詰め込まれたこの作品は、それまでの演劇とは全く異なるパフォーマンスとして、当時の人々に衝撃をもって受け取られました。

『MORAL』という作品からは、「消費社会」や「都市」といったテーマを読み取ることができます。事実、如月小春自身もこの作品を通じて「消費社会の身体」を追求したと語っています。ここで言われる「都市」や「消費社会の身体」という概念は、21世紀における現在においても未だ重要なトピックと言えます。スマートフォンの普及によってインターネットがあらゆる場所に偏在する、グローバル化以後の世界において、「都市」的なものはフラットに世界全体を覆いつつ、我々の身体の中にも染み付いています。

「都市」に、「消費社会」の中に生きながら、同時に複雑さや矛盾も抱えた「個」でもある身体を暴き立てるためのきっかけとして、『MORAL』という戯曲の言葉たちは作用します。豊饒なイメージも深い人物造形もなく、単純なセンテンスで綴られた『MORAL』の言葉は、今の時代を生きる出演者たち、または上演の場に立ち会う観客のみなさんの身体に、どのように響くでしょうか。

舞台に立つのは、主に一般公募によって集められたメンバーたち。約2ヶ月のワークショップを通じ、ひたすら戯曲の言葉と自分の声に向きあいながらパフォーマンスを制作します。そこには表面を繕われた見世物ではなく、多種多様の真摯な声が響きあう、特別な空間が立ち現れるでしょう。

2022年の秋のごくわずかな瞬間、会場に居あわせた全員の間で、『MORAL』の言葉の乱反射が起きることを期待します。

 

・上演映像を2/5(日)までの期間限定で配信しています!
https://noruha.stores.jp/items/6383949d5988dc4b81f8a81a

・TOMC『MORAL (Original Soundtrack)』、Apple Music、Spotify等各種配信サービスにて配信中!
https://big-up.style/n5St69XCSu

人々

演出

カゲヤマ気象台*

1988年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。東京と浜松の二都市を拠点として活動する。 2008年に演劇プロジェクト「sons wo:」を設立。劇作・演出・音響デザインを手がける。2018年より「円盤に乗る派」に改名。2013年、『野良猫の首輪』でフェスティバル/トーキョー13公募プログラムに参加。2015年度よりセゾン文化財団セゾン・フェロー。2017年に『シティⅢ』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。

出演

加賀田玲

1996年福島県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。小田尚稔の演劇『是でいいのだ』(2020 – 2022)、亜人間都市『草、生える』(2022)などに出演。

玉波さやか

2021年3月早稲田大学文学部卒。在学中は劇団てあとろ50’に所属し、俳優、制作として活動。『うっかり!ハッピーエンド』、『夏じゃなくてお前のせい』(モミジノハナ)等に出演。現在は会社員。

ツカダソラ

5月生まれ、京都大学総合人間学部を卒業。
言葉になること、声に出すことにささやかな興味があります。ここ最近は音響のお手伝いをしたり友達に会ったりしていました。いつか薄い煙か丸くて手触りのいい石になりたいです。

冨田粥

1997年北海道生。早稲田大学文学部演劇映像コース卒。都内在住。リモートワークで主にシステム開発に関わる仕事をしています。プログラミングなどはできません。

畠山峻*(PEOPLE太)

1987年生まれ 北海道出身。舞台芸術学院演劇部本科58期卒。
円盤に乗る派プロジェクトメンバー。俳優としてブルーノプロデュース、20歳の国、亜人間都市などの作品に出演。個人演劇ユニットPEOPLE太(ピープルフトシ)としてもゆるやかに活動中。

日比野桃子

1996年千葉県船橋市生まれ。「踊ってしまう」現象について考えている。最近の興味は、質問と回答、声と背骨、詩など。秋田県秋田市に住んでいて、新聞記者をやっている。

日和下駄*

1995年鳥取県生まれ。2019年より円盤に乗る派に参加。以降のすべての作品に出演。特技は料理、木登り、整理整頓、人を褒めること。人が集まって美味しいご飯を食べることが好き。下駄と美味しんぼに詳しい。

藤澤奈穂

2003年生まれ。東京藝術大学 美術学部 先端芸術表現科に在籍中。大学では現代美術、舞台芸術を学ぶ。個人史と社会を接続するための言葉と身体に関心があり、パフォーマンスや映像、テキストなどのメディアを横断しながら制作を行う。アーティストコレクティブ 牛二卵性双生児としても活動。

室山栞菜

1998年、神奈川県生まれ。武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科卒業。関東で美術施工をしている。

照明

みなみあかり(ACoRD)

舞台照明家。ACoRD代表。舞台照明デザイナー。
遅れて迎えた思春期を謳歌している人。演劇を中心にミュージカル・バレエ、エンタメなどジャンルにとらわれず作品に光を灯す。バーチャルステージや京都劇場へも進出し、まだまだ新しい世界が見たい今日この頃。
円盤に乗る派では「清潔でとても明るい場所を」「流刑地エウロパ」などの照明デザインを担当
Twitter/Instagram:@akariMinami

河野真衣

音楽

TOMC

ビート&アンビエント・プロデューサー。

2015年にデビュー後、カナダ〈Inner Ocean Records〉、日本の〈Local Visions〉等から作品を発表。リリースごとに明確なコンセプトを掲げ、独自の波形編集で作り込まれたジャズ・ヒップホップやアンビエントの作品群で知られる。
メジャー/マイナーを問わず広範囲な音楽知識を活かし、専門誌・ウェブ媒体への寄稿~音楽プレイリスターとしてのメディア出演も多数。

音響

カゲヤマ気象台*

1988年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。東京と浜松の二都市を拠点として活動する。 2008年に演劇プロジェクト「sons wo:」を設立。劇作・演出・音響デザインを手がける。2018年より「円盤に乗る派」に改名。2013年、『野良猫の首輪』でフェスティバル/トーキョー13公募プログラムに参加。2015年度よりセゾン文化財団セゾン・フェロー。2017年に『シティⅢ』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。

美術

渡邊織音(グループ・野原)

1986年東京生まれ。建築家・舞台美術家。
早稲田大学創造理工学部建築学科卒。
福島・NPO法人野馬土理事。京都・北山舎メンバー。
2017年よりグループ・野原に参画。在学時より自力建設を通した震災支援や海外WSを中心とした活動に関わり続け、設計事務所を経て現在にいたる。
風景と力に着目し活動を続けている。
舞台制作の過程をドローイングやスケッチを継続中。東京と山梨を往復や、移動や旅の中で創作の展開を続け、2021年より個展を再始動している。
近年の舞台美術として、グループ・野原『自由の国のイフィゲーニエ』(2021)、ヌトミック『ぼんやりブルース』(2022)、円盤に乗る派『仮想的な失調』(2022)がある。
http://wshikine.s1001.xrea.com/

堀尾理沙

1999年千葉県生まれ。早稲田大学大学院創造理工研究科建築学専攻に在籍。小林恵吾研究室にて建築デザインを学んでいる。

人が持つ感覚や感情を追い、空間設計を通じて身体の内面にアプローチする方法を探っている。

衣装

永瀬泰生(隣屋)

大阪出身。衣裳家・俳優として活動。演劇をつくる団体「隣屋」所属。
国内外カンパニーの衣裳デザイン・製作・アシスタントなど。
物語から集めた様々なモチーフをつなぎ合わせ、規定されない人間像を立ち上げる。
身体の記憶を縫い合わせることをテーマに舞台上でリアルタイムで作品製作をするライブソーイングや、製作過程で発生したマテリアルによるグッズ製作も行う。

フライヤーデザイン

鈴木健太

デザイン、音楽、演劇などの制作と発表。1993年生。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。美学校実作講座『演劇 似て非なるもの』第2期修了。バンド「山二つ」にてギター・歌など。

制作

金森千紘(infans.)

1981年東京都生まれ。大学で建築を学んだ後、美術書の企画営業、ポラロイドフィルムの再生産プロジェクトに従事。現代美術のギャラリーに勤務後、フリーランスとして活動。美術、パフォーミングアーツの分野でアーティストやプロジェクトのマネージメント、展覧会企画などに携わる。

制作補佐

渋木すず*

1990年広島県生まれ。会社員。エッセイを書く。「ちょっとしたパーティー(@A_little_party)」という名前で餅つきや同人誌作り等々に勤しんでいる。
note: https://note.com/suzu_shibuki

円盤に乗る派への参加に寄せて/渋木すず: https://note.com/noruha/n/n05f26a4f098d

畠山峻*

1987年生まれ 北海道出身。舞台芸術学院演劇部本科58期卒。
円盤に乗る派プロジェクトメンバー。俳優としてブルーノプロデュース、20歳の国、亜人間都市などの作品に出演。個人演劇ユニットPEOPLE太(ピープルフトシ)としてもゆるやかに活動中。

*=円盤に乗る派プロジェクトチーム

主催

円盤に乗る派

協力

グループ・野原、隣屋、PEOPLE太、山吹ファクトリー、有楽町アートアーバニズムプログラムYAU、一般社団法人ベンチ

文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業

日時

2022年
11月19日(土) 19:00
20日(日) 15:00
※受付開始は開演の60分前、開場は開演の30分前

料金

前売・一般 3,000円
U25 2,500円
当日 3,500円
※全席自由、税込
※U25チケットは入場時に年齢確認証が必要です。

チケット

円盤に乗る派shop https://noruha.stores.jp
イープラス https://eplus.jp/sf/detail/3728800001-P0030001

会場

〒120-0036 東京都足立区千住仲町49-11
[map]

東京メトロ千代田線・日比谷/JR常磐線/東武スカイツリーライン「北千住」駅出口1より徒歩6分、西口より8分

お問い合わせ

050-3631-4380
info@noruha.net