円盤に乗る派
『幸福な島の夜』
2023年10月26日(木)〜11月5日(日)
こまばアゴラ劇場
自己が不気味な他者として立ち現れてくる、奇妙な「現実」を描く現代の寓話
とある架空の島。ここは10年前の革命によって属していた国家から独立し、歴史から断絶された。
資本主義の行きついた先とも呼べるこの島は荒廃し、未来も希望も失われ、人々はAIやナノマシンといった残された先端テクノロジーだけを頼りにしながら、孤独に余生を送っている。
物語は、島で暮らす主人公のもとへ一本の電話がかかってくるところから始まる。最初はただの勘違いのように思われたが、そこから始まる出来事に巻き込まれるにつれ、島にまつわる現実が徐々に明らかになり、次第に自分の存在までもが揺らいでゆく。
円盤に乗る派の新作『幸福な島の夜』は、「最も不気味な他者としての自己」をテーマとする演劇作品だ。
絶対的なものなど何もない現代においては、あらゆるものが少し見方を変えるだけで見知らぬもの、不気味なものに見えてしまう。そこでは「自己」という存在すら突如として見慣れないものに感じられ、他者のように全く捉えられない、不可解なものとして立ち現れてくる。不安定なものたちが不安定なまま点在する、この世界の「現実」の様相を、寓話的な物語を通じて描く。
上演の間、劇場の小さな空間の中にはあらゆる不安定な存在が生じ、そして消えていくだろう。その様相はあなたにとって「現実」と映るだろうか。
作
カゲヤマ気象台*
1988年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 2008年に演劇プロジェクト「sons wo:」を設立。劇作・演出・音響デザインを手がける。
2018年より「円盤に乗る派」に改名。2013年、『野良猫の首輪』でフェスティバル/トーキョー13公募プログラムに参加。2015年度よりセゾン文化財団セゾン・フェロー。2017年に『シティIII』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。2021年より共同アトリエ「円盤に乗る場」を運営。
演出
カゲヤマ気象台
1988年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 2008年に演劇プロジェクト「sons wo:」を設立。劇作・演出・音響デザインを手がける。
2018年より「円盤に乗る派」に改名。2013年、『野良猫の首輪』でフェスティバル/トーキョー13公募プログラムに参加。2015年度よりセゾン文化財団セゾン・フェロー。2017年に『シティIII』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。2021年より共同アトリエ「円盤に乗る場」を運営。
出演
串尾一輝(青年団 / グループ・野原)
1992年うまれ。
無隣館1期生、のち青年団に入団。
蜂巣もも、渡邊識音とともにグループ・野原としても活動中。
日銭を稼ぐために始めたプログラミングが性に合っていて、最近はフロントエンド開発も少しやっている。Webアクセシビリティに関心がある。
人としてジメッとしているのでカラッとした演技に憧れていて、堀北真希の熱心なファン。好物は豚バラ。
https://kazuki-kushio.com
西山真来(青年団)
1984年京都生まれ。京都の劇団「象、鯨。」を主宰。解散後、木村文洋監督「へばの」に主演し以後映画を中心に活動。近作に、山﨑樹一郎監督「やまぶき」、黒川幸則監督「にわのすなば」、酒井善三監督「カウンセラー」、清水崇監督「ミンナのウタ」など。マレビトの会、モメラス、ダダルズ、玉田企画などの演劇作品にも出演。
ホタルブクロの群生地に行ってみたい!
畠山峻*(PEOPLE太)
1987年北海道札幌市生まれ。舞台芸術学院演劇部本科卒。円盤に乗る派プロジェクトメンバー。people太のユニット名で創作活動も行う。亜人間都市、生西康典、お布団、ブルーノプロデュースなどの演劇作品に出演。
日和下駄*
1995年鳥取県生まれ。2019年より円盤に乗る派に参加。以降のすべての作品に出演。特技は料理、木登り、整理整頓、立ち幅跳び、人を褒めること。酒とタバコとかいけつゾロリと人が集まって美味しいご飯を食べることが好き。下駄と美味しんぼに詳しい。人生で一番ハマったゲームはSlay the Spire。最近、こち亀を少しづつ買い進めている。
藤瀬のりこ(青年団)
神奈川県出身。上智大学法学部国際関係法学科卒。2001〜10年ダンスカンパニーNibrollの国内海外公演に出演後、演劇をはじめる。最近は青年団・ヌトミック等の演劇作品に出演。
缶コーヒーCMの宇宙人ジョーンズの境遇にシンパシーを感じる。「社会」「身体」「芸術」を通して、人間のことをもっと知りたいと思っている。
舞台監督
鐘築隼
1995年島根県生まれ。
高校進学を機に演劇部へ入部し初めて演劇に触れる。
大学進学後は興味のあったスタッフ業を行うようになり、学内にはいるがタタキ場や倉庫に籠るような4年間を過ごし、大学を中退する。
大学中退後は劇場管理の会社に就職するも、早々に早々に辞職し、小劇場やスタジオなどでの舞台監督業務を行うようになる。
現在は兵庫県豊岡市の地域おこし協力隊として活動しており、豊岡演劇祭を通して地域の活性化に努めている。
人は技術や経験も必要だが、個人的に一番大事なのは人柄だと思っている。
舞台美術
渡邊織音(グループ・野原)
1986年東京生まれ。長野県在住。
建築構造設計・舞台美術・美術作家。
早稲田大学創造理工学部建築学科卒。
福島・NPO法人野馬土理事。京都・北山舎メンバー。
2017年よりグループ・野原に参画。在学時より自力建設を通した震災支援や海外WSを中心とした活動に関わり続けてきた。
今年から長野県に拠点を移し、レタス農業・発酵に関わりながら模索の日々だ。
舞台制作の過程をドローイングやスケッチでアーカイブ化し、創作につなげている。東京と山梨・長野を行ったり来たりしている。
舞台美術として、グループ・野原『自由の国のイフィゲーニエ』(2021)、ヌトミック『ぼんやりブルース』(2022)、円盤に乗る派『仮想的な失調』(2022)など多数
美術作家として、パイプオルガンからの着想から楽器を制作。インスタレーション展示『breathe』(2023)を開催
本間菫子
本間菫子(ほんますみれこ)
1996年埼玉県生まれ。画家・詩人・イラストレーター。歌、朗読、演技をしたり、モデルになることもある。お店はじめるお店「アラマホシ商店」メンバー。建築活動集団「アキチテクチャ」メンバー。2019年より季刊誌「茶柱探検隊」にて、イラスト連載中。2023年の目標は、詩集づくりと絵本づくり。
舞台美術協力
植田晴帆
2001年生まれ
早稲田大学創造理工学部建築学科在学
建築、美術、演劇、踊りの創作活動を通して表現を模索している。
枝豆と牛乳とタイ料理が好物。
大学では土蔵、左官に着目し建物を遺す方法を探っている。
照明デザイン
吉田一弥
1988年京都市生まれ。
吉本有輝子氏に師事。
京都大学在学中より小劇場を中心としてパフォーミングアーツの照明デザインを手がける。並行して2017年の閉館までアトリエ劇研スタッフルームに所属し、劇場の運営に携わる。2020年度日本照明家協会賞新人賞受賞。
近年の主な照明デザイン作品に
・Saeborg「Super Farm」2023/7@Zoo Gesellschaftshaus(Frankfurt)
・贅沢貧乏「わかろうとはおもっているけど」(脚本・演出 山田由梨)
2022/11@MCJP(Paris)
・Apichatpong Weerasethakul「A Conversation with the Sun(VR)」
2022/10@愛知県芸術劇場
音響デザイン
カゲヤマ気象台*
1988年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 2008年に演劇プロジェクト「sons wo:」を設立。劇作・演出・音響デザインを手がける。
2018年より「円盤に乗る派」に改名。2013年、『野良猫の首輪』でフェスティバル/トーキョー13公募プログラムに参加。2015年度よりセゾン文化財団セゾン・フェロー。2017年に『シティIII』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。2021年より共同アトリエ「円盤に乗る場」を運営。
衣装デザイン
永瀬泰生(隣屋)
隣屋所属。衣裳家・俳優・ライブソーイングなど。
衣服を身体の一部として捉え、生活の中に隠された習慣や暮らしの空間といった【環境と身体の関係】をテーマに舞台衣裳を製作。衣裳で身体を拡張したり、環境そのものを衣裳にすることによって、環境と身体を介在するエネルギーの双方向性に目を向け、我々の生活において “まさしくそう” で在るのとは別の形で “あるべくしてそう在る” という人間の有り様を探っている。
制作
呉宮百合香
1991年生まれ。パリ第8大学にて芸術学修士取得後、早稲田大学文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。ダンスを中心に、国内外の媒体に公演評や論考を執筆するほか、フェスティバルや公演の企画制作、作品のクリエーション等にも多数携わる。
近年の参加企画に、新人Hソケリッサ!「路上の身体祭典H!」(ツアー制作)、川口隆夫『バラ色ダンス 純粋性愛批判』(ドラマトゥルク)、LAND FES「TOKYO DANCE AR in 高円寺」など。
円盤に乗る派
ウォッチャー
渋木すず*
1990年広島県生まれ。会社員。エッセイを書く。「ちょっとしたパーティー(@A_little_party)」という名前で餅つきや同人誌作り等々に勤しんでいる。
note: https://note.com/suzu_shibuki
メインビジュアル
飯島健太朗
1999年茨城県水戸市生まれ。ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第3期受講生。
フライヤーデザイン
村尾雄太
グラフィック・デザイナー。1990年生まれ。アート、ファッション、音楽などの領域に関わるグラフィックデザインやブックデザイン、ウェブデザインのプロジェクトに携わる一方、2017年よりデザインスタジオwellのメンバーとしても活動を行う。
yutamurao.com
*=円盤に乗る派プロジェクトチーム
主催 |
円盤に乗る派 |
---|---|
助成 |
芸術文化振興基金、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成] |
協力 |
公益財団法人セゾン文化財団 |
本作『幸福な島の夜』は「最も不気味な他者としての自己」をテーマとして掲げているが、あらゆる価値観や概念が変容し続ける現代において、リアリティは不可解なもの、これまでの尺度では測れないものの中にこそあると言えるだろう。しかしその一見新しい現実は、これまで存在しなかったわけでも、身を隠していたわけでもなく、大きな歴史の中でただ見過ごされてきたに過ぎない。それら見過ごされてきた現実と向き合い、言葉を交わすことによって、これからの時代を生きるための現実を改めて「見つける」ためのシンポジウムを開催する。
日時:10月29日(日)16:45-18:45
例えばジェンダーや家族といった、身の回りの領域について語るときにも、社会規範というものは常についてまわる。その問題についてはこれまで様々に語られてきたものの、未だに根強く社会の中に残り、容易には脱することはできない。フィクションは時によって、それを解体するための指針を示すこともあれば、逆に規範を強化してしまうこともある。軽やかに規範からはみ出ながら新しいフィクションを創作していくには、どのような態度が必要だろうか? ゲストと共に実作の例に触れつつ、これからの時代を生きるためのフィクションについて考察する。
小澤みゆき(編集者・ライター)
1988年生まれ。文筆・出版を中心とした自主制作を通して、よりよい生やフェミニズムの実践を模索しています。おもな制作物に、ウェブ同人誌『作家の手帖』、編著『かわいいウルフ』、同人誌『海響一号 大恋愛』など。近年は1930年代の日本におけるヴァージニア・ウルフの翻訳について個人調査を行っています。
https://kaikyosha.net
北村みなみ(イラストレーター/映像作家/漫画作家)
静岡県戸田村にて海と山に囲まれ育つ。
2021年6月、WIREDの漫画連載をまとめた単行本「グッバイ・ハロー・ワールド」(rn press)を刊行。同年7月、イラスト作品集「宇宙(ユニヴァース)」(グラフィック社)を刊行。
カゲヤマ気象台(劇作家・演出家、円盤に乗る派代表)
1988年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 2008年に演劇プロジェクト「sons wo:」を設立。劇作・演出・音響デザインを手がける。
2018年より「円盤に乗る派」に改名。2013年、『野良猫の首輪』でフェスティバル/トーキョー13公募プログラムに参加。2015年度よりセゾン文化財団セゾン・フェロー。2017年に『シティIII』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。2021年より共同アトリエ「円盤に乗る場」を運営。
司会:曽根千智
兵庫県出身。大学卒業後、人材系IT企業にて研究開発職として働きながら、こまばアゴラ演劇学校無隣館(3期)で学ぶ。現在は、劇作、演出、ドラマトゥルク、コーディネーター、研究員として活動している。参加・演出作品に『遊行権』(19)『The City & The City: Divided Senses』(20)『マミマニア』(21)など。
日時:11月3日(金)16:45-18:45
人間の社会はこれまで、無条件に人間というものを前提としながら、あくまで人間のために作られてきた。しかし、その"人間"という前提は、本当に絶対的なものだろうか? "人間"というものはこういうものであると、無意識のうちに思い込んでいないだろうか? 気候変動によって自然が姿を変え、人間の能力を超えるAIの可能性に直面し、これまでの前提が揺らいでいる現在、そもそも"人間"というものの意味から問い直さなければならない。どこまでが人間で、どこからが人間ではないのか、その領域について改めて思考を展開しつつ、人間の"外"を指向するという経験を共有したい。
江永泉(批評家)
著作に『闇の自己啓発』(早川書房、2021年、木澤佐登志・ひでシス・役所暁と共著)、「集まる流れを探るため──羽鳥ヨダ嘉郎『リンチ(戯曲)』」(『地域上演』第二号 2022年10月)、「笑えないところで笑う――向坂達矢『FINAL FUNTASY僕と犬と厭離穢土』」(Blu-ray版『FF』特典、2023年5月)などがある。2023年4月、『TED×Utokyo2023“どくどく”』にスピーカーとして参加。2023年2月よりYouTubeチャンネルTERECOにて米原将磨とコンテンツ雑談「光の曠達」を配信中。
小宮りさ麻吏奈(アーティスト/ アーター )
クィア的視座から浮かび上がる時間論への関心から「新しい生殖の方法を模索する」をテーマにメディア横断的に活動している。プロジェクトに「小宮花店」、オルタナティブスペース「野方の空白」の運営。共同プロジェクトとして、制度における同性婚不可と建築法の問題を重ね合わせ再建築不可の土地に庭をつくる「繁殖する庭」、クィア・フェミニズムアートプラットフォーム「FAQ?」など。また、同名義にて漫画家としても活動中。
カゲヤマ気象台(劇作家・演出家、円盤に乗る派代表)
1988年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 2008年に演劇プロジェクト「sons wo:」を設立。劇作・演出・音響デザインを手がける。
2018年より「円盤に乗る派」に改名。2013年、『野良猫の首輪』でフェスティバル/トーキョー13公募プログラムに参加。2015年度よりセゾン文化財団セゾン・フェロー。2017年に『シティIII』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。2021年より共同アトリエ「円盤に乗る場」を運営。
司会:曽根千智
兵庫県出身。大学卒業後、人材系IT企業にて研究開発職として働きながら、こまばアゴラ演劇学校無隣館(3期)で学ぶ。現在は、劇作、演出、ドラマトゥルク、コーディネーター、研究員として活動している。参加・演出作品に『遊行権』(19)『The City & The City: Divided Senses』(20)『マミマニア』(21)など。
料金:500円
※本公演のチケットをお持ちの方は無料
ご予約:
https://noruha.stores.jp/?category_id=64e3117ab37ea4002e67e06b
10月26日(木) 19:00 ★プレビュー公演
10月27日(金) 19:00
10月28日(土) 14:00|19:00
10月29日(日) 15:00
10月30日(月) 19:00
10月31日(火) 休演日
11月1日(水) 19:00
11月2日(木) 19:00
11月3日(金祝) 15:00
11月4日(土) 14:00|19:00
11月5日(日) 15:00
受付開始・開場は開演の30分前
上演時間:約90分(休憩なし)
一般 4,000円
前半割(10/27〜30) 3,500円
25歳以下 3,000円
当日券 各+500円
プレビュー公演(10/26) 3,000円(前売・当日とも)
18歳以下 無料ご招待(枚数限定・要予約)
※ご招待日:10月26日(木)〜30日(月)
●日時指定・全席自由・税込
●25歳以下・18歳以下チケットご利用の方は、受付にて証明書をご提示ください。
●開場時は【劇場支援会員→一般】の順でお呼び出しいたします。開場後は、券種にかかわらず来場順の入場となります。
●未就学児はご入場いただけません。
円盤に乗る派 Shop
https://noruha.stores.jp/
イープラス
https://eplus.jp/sf/detail/3925380001-P0030001
18歳以下チケットお申込みフォーム
https://forms.gle/cfMZCb7uQS7mABZMA
発売日:8月21日(月)20:00
東京都目黒区駒場1-11-13
TEL:03-3467-2743
京王井の頭線「駒場東大前」駅 東口徒歩3分
[map]
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。