日和下駄の歴史に刻め!第五回
ゲスト:渡邊まな実
下駄くんとまな実先輩によるコーナー企画回(「まな実に聞く、海外芝居のリアル」ほか)
歴史的な俳優になりたい日和下駄が、円盤に乗る派の新作公演『「いまのところまだ存在しているわたしのたましいが……」』に参加しているメンバーに話を聞き、どうやったら日和下駄がその名を歴史に刻むことができるのかを考えるポッドキャスト番組です。それぞれのゲストとテーマを設定して対談を実施することで、《乗る派》の状況や現代演劇を取り巻く状況について議論を深めます。いまの状況を読み解き、その中でどのように活動をしていくことができるのか。日和下駄が歴史に名を刻むための模索は続きます。
*本記事は、ポッドキャストとして音声収録したものを、文字起こし・記事化したものです。
下駄
晴れの日も雨の日もあなたの心に寄り添います。歴史を刻む男、日和下駄です。これは歴史に名を刻む男、日和下駄がそのためにいろいろな人をお呼びして、お話するポッドキャストです。今回のゲストは先輩の渡邊まな実さんです。
渡邊
晴れの日は花粉が飛んで鼻水が止まらなくなり、雨の日は傘を電車に忘れてしまう渡邊まな実です。
下駄
よろしくお願いします。
渡邊
よろしくお願いします。
下駄
わざわざお忙しい中来ていただきありがとうございます。
渡邊
嬉しいです。
下駄
そう言っていただけてぼくも嬉しいです。
渡邊
ちょっと緊張してます。
今週のおすすめおつまみ
下駄
そのあたりはぼくに任せていただいて。それでは最初のコーナーに行きたいと思います。「今週のおすすめおつまみ」。わたしは「つまみアドバイザー」をしており、おつまみにとっても詳しいんですね。今日はせっかく先輩に来ていただいたので、おすすめのおつまみを紹介しようかなと思っております。
今週紹介するおつまみは、「茎わかめ」です。「茎わかめ」食べたことありますか?
渡邊
あります。
下駄
「茎わかめ」のことどう思ってますか?
渡邊
シャキシャキしてて、素朴で美味しい。
下駄
お酒と合わせたことは。
渡邊
日本酒とかはあるって感じですね。
下駄
「茎わかめ」、結構いいんですよ。シャキシャキしてて、噛めば噛むほど味がするのが、お酒のおつまみとしてはいいんですね。昆布系だと、「おしゃぶり昆布」もあるんですけど、「おしゃぶり昆布」ちょっと硬くてお酒で流し込めないんです。コスパで考えると「おしゃぶり昆布」の方がいいんですけど、「茎わかめ」の方がお酒で流し込めるっていう点がいいなと思っています。
「茎わかめ」はコンビニで買うとちょっと高いんです。おすすめは、スーパーに行って、500円ぐらいで、大きい袋のものがあるんで、それを買うとコスパが良くていいですね。
渡邊
コンビニで梅味のやつとかありますよね。
下駄
あれ、ちょっと小さいんですよ。持ち運びしたいわけじゃないから、大きいサイズの方が良くて。
そして「茎わかめ」、何を合わせるといいかというと、レモンサワーです。
渡邊
レモンサワー。
下駄
そう。「茎わかめ」の梅味って多いんです。おつまみって、その味をどう洗い流してくれるか、という観点から考えることが基本なんですけど、その観点からは酸っぱい梅味の「茎わかめ」には、同じく酸味のあるレモンサワーだろうと。ポリポリと食べて、レモンサワーでさっと飲むと、海藻類が育った海の底の生命の息吹が感じられておすすめです。
渡邊
いいですね。
下駄
ぜひ試してみてください。では、次のコーナーお願いします。
歴史的な俳優プロファイリングコーナー
渡邊
はい。「歴史的な俳優プロファイリングコーナー」
下駄
今日はどんな歴史的な俳優について教えてくれるんですか。
渡邊
記念すべき第一回のターゲットは。ハリウッドの猛将「メル・ギブソン」さんです。
下駄
映画『マッドマックス』の人ですよね。
渡邊
そうですね。ジョージ・ミラー監督の『マッドマックス』に出演しています。
下駄
『マッドマックス』内で、すごい荒れてる人というイメージがあります。この人はどんな歴史的な俳優なんでしょう?
渡邊
まさしく『マッドマックス』のオーディションの時、メル・ギブソンは最初オーディションを受ける気がなかったらしくて、友達の運転手として会場に行っただけだったんです。しかも、前日の夜にバーで酔っ払いと大乱闘して、顔面があざだらけのボッコボコの状態だったらしくて。
下駄
あら、可哀そう。
渡邊
そうなんです。たまたまオーディションに行って、そうしたら監督が、ボコボコの状態のメル・ギブソンを見て、「腫れが引いたらまた来てほしい」と話しかけたそうです。後日メル・ギブソンが事務所を訪ねたら、「イケメンだね」となったと。
下駄
ボッコボコだったけども、腫れが引いたらイケメンじゃないかとなったんですね。
渡邊
それで大抜擢となったそうです。
下駄
当時のメル・ギブソンの立場からすると、かなりの抜擢だったんですね。
渡邊
まさかボコボコになった自分が受かるとは思ってなかったそうです。
このエピソードを踏まえて下駄さんに質問があります。歴史的な俳優になれるかもと思った瞬間ってありますか?
下駄
ぼくが歴史的な俳優になりたいと思った1番のきっかけは、大学生の時に映画館でバイトしてたんですけど、深夜まで働いて帰り道、自転車に乗っているときに急にふと「仮面ライダーに出たいな」と思ったんですね。天啓というやつです。次の日にはJUNON(ジュノン)を買って、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募しました*。
主婦と生活社が発行している月刊雑誌。1988年より「あなたの隣のすてきな男の子、推薦してください」をキャッチフレーズに、ボーイズコンテストを実施している。出身者の多くが仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズといった特撮ヒーロー番組に出演しており、特撮への登竜門としても有名。
渡邊
おー。
下駄
落ちちゃったんですけど、そこから歴史的な男になりたいっていう気持ちがありますね。
渡邊
きっかけにはそんなエピソードがあったんですね。歴史的な俳優に「なれる」みたいに思った瞬間はあるんですか?
下駄
ずっと「なれる」って思ってるんじゃないですかね。常に。
歴史的な男は「なれる」のではなく、「なる」と決めるものなのかなと思っています。先輩は、歴史的な俳優になりたいと思っていますか?
渡邊
「なれる」んだったらなりたいですね。
下駄
でも、「なれる」んだったらなりたいということは、行けたら行くわみたいな感じで、なれないんじゃないですか?
渡邊
なってやるっていう気持ちはもちろんあります。
下駄
なってやるって気持ちはあるんですね。そしたら「なれるんだったら……」みたいな逃げ腰なのは謙遜ですか?
渡邊
そうです。
下駄
謙遜抜きだと?
渡邊
海賊王に俺はなるぐらいの、意気込みは持ってます。
下駄
ここまでポッドキャストを続けてきてて、歴史的な俳優になりたい仲間を増やした方がいいんじゃないかという話も出てたんです。今日、記念すべき一号目です。
渡邊
私が?
下駄
歴史的な俳優になりたい仲間。
渡邊
おー、仲間。確かに歴史的な人たちって、人間関係で色々動きますもんね。
下駄
そうそう。演劇も最初に出会った人間関係から始まったりしてるので。ただ、現状は演劇以外の入り口があんまりないので、渡邊さんが紹介してくれて、銀幕とかTVショーとかに出るきっかけをつかみたいと思います。
渡邊
メル・ギブソンも偶然の運命が重なって歴史的な俳優になったという話もありますから、私も下駄さんの運命を変えるきっかけになるかもしれないですよね。
下駄
「チャンスの女神は前髪しかない」ともいいますから。後から待ってって言っても後ろ髪がないから掴めないという変な例えですけど。
渡邊
それって、前髪がある人とない人がいるってことですか?
下駄
前髪がむちゃくちゃ長いってことですね。
渡邊
そういうことか。
下駄
チャンスが来た時にきちんと掴めるようにもなりたいなとも思ってますね。
渡邊
私の先輩が、訓練すると言ってました。運命を掴む訓練。
下駄
ちょっと詳しく聞かせてもらってもいいですか。
渡邊
私もどうやるかはわかんないんですけど。
下駄
わかんないんですか。
渡邊
個人に委ねられているということみたいです。
下駄
なるほど。ただ、訓練することができるという価値観を教えてもらったということですね。
渡邊
そうです。声の訓練とか、セリフの訓練とかと一緒で、運命を掴む訓練もできると言ってました。
下駄
そういう意味では、ぼくは、まさに今、歴史を刻んでると思いながら生きてるんで、それもまた訓練かもしれないですね。日和下駄という歴史の次に何を置くと良いかみたいなことを考えるのも訓練というか。
渡邊
そうですね。
下駄
では、次のコーナー、お願いします。
歴史に名を刻むお便り
渡邊
歴史に名を刻むお便りより、「レキオタ」コーナー。レキオタリスナーからたくさんお便りが届いてます。ラジオネーム「深夜の暴食マッドマックス」さん。下駄くん、まな実先輩、こんばんは。
下駄
こんばんは。
渡邊
突然ですが、「つまみアドバイザー」の下駄くんに相談です。今夜、気合を入れて時代劇映画を見ながら飲もうと思ってるのですが、仕事帰りで疲れていて料理をする気力がありません。コンビニやスーパーでさくっと用意できて、かつ歴史の重みを感じられるようなおすすめおつまみはありますか?とのことです。
下駄
なるほど。歴史の重みを感じられるようなおつまみですね。
渡邊
はい。
下駄
こういう時は、カステラがいいんじゃないですかね。
渡邊
おお、カステラ。
下駄
甘いものと白ワインって結構合うんです。
渡邊
おしゃれ。
下駄
はい。白ワインもちゃんと選ばないと合わないんですけど、さっぱりめの辛口の方がいいと思いますね。カステラは卵なので甘みがあります。カステラは長崎・出島を入り口に、海外から入ってきたお菓子なんですね。
お菓子というのは、人間の甘味への欲望が現れているんですね。お菓子の「菓」は「果物」から来ているんです。なんでかというと、人類が甘いものを食べたいとなった時、原初は果物しかなかったんです。だから和菓子では、柿の甘さを超えてはいけないという話があるんです。一方、西洋は砂糖をたくさんつかってめちゃくちゃ甘いんですね。それぞれの国によって甘さへの捉え方が違うんです。これも文化ですね。
カステラは、そんな柿の甘さを越えてはいけないお菓子の歴史がある日本にやってきて、日本ナイズドされたお菓子なんですね。日本ナイズドされたお菓子、そして異国のワインを飲み、時代劇を令和の世で見ているというギャップが重なって味わい深い気持ちになるんじゃないかなと思います。
渡邊
時代劇は何がおすすめですか?
下駄
時代劇はやはり『水戸黄門』じゃないですかね。時代劇にも時代考証をしっかりしてるものもあれば、今見ている人が面白いように味付けしてるものもあるんですね。『水戸黄門』なんて、水戸光圀はあんなことしてないし、助さん角さんもモデルはいるらしいですがあんなことしてないんです。時代が変形されてるものを見るのがいいんじゃないかと思いますね。
渡邊
では、「深夜に暴食マッドマックス」さん、カステラと白ワインを用意して、『水戸黄門』を見ることをおすすめします。
2通目にいきたいと思います。「履歴書は四角欄から埋めるタイプ」さんからのお便りです。下駄くん、まな実先輩、こんばんは。
下駄
こんばんは。
渡邊
ぼくもいつか歴史に名を残す俳優になりたいと夢見るフリーの役者です。
下駄
それはそれは。
渡邊
偉大な俳優は日常から役に入り込むと聞きますが、お2人が普段の生活で密かにやっている役者のルーティンや癖はありますか。ちなみに僕はマーロン・ブランドの歩き方をまた真似してコンビニに行ったら、店員さんに腰痛いんですかと心配されました。
下駄
マーロン・ブランドって腰痛そうな歩き方してますもんね。先輩はなにかありますか?
渡邊
私はなるべく無茶振りに対しては制限をかけないようにしようと頑張ってます。
下駄
どういうことですか。
渡邊
私はもともとブレーキ癖みたいなものがあって。演技も、これ以上やったら自分が壊れちゃうっていうことに対してすごい怖くて。それを克服したいなと思ってて。最近は、なんかやってよと言われたら、もう全力でやるっていうことにしてます。
下駄
なるほど。そういうのだったらぼくもありますね。役者とか俳優って、自分の中にあるものからしか演技できない部分もあるじゃないですか。自分の中にないことを急にポンって生み出すことはなかなかできない。だから、豊かな生活を送ろうと心がけてます。例えば、1日家で過ごしてたとして、雨の日だとしますね。それで、友達から今日ちょっと遊んでるから下駄もどうって言われたとするじゃないですか。そういう日って出かけるのも正直めんどくさいじゃないですか。でもそういう時に、これは行った方が面白いかもみたいに思って、出かけるようにしてます。あらゆるタイミングで面白い方を選ぶようにしてる。そうすることで、いろんな経験ができるかなと思っています。だから飲食店でも、知らないメニューとかあったら頼むようにしたり。あと最近は、飲食店を選ぶ時も、前までは失敗したくないなと思ってインターネットを駆使してたんですけど、それも良くないんじゃないかと思って、もうスマホから顔上げて街を見るようにしてますね。こうやって面白いことを積み重ねていった人生が、演技にも反映されるんじゃないかと思ってます。
渡邊
そうですね。わたしは、誤解を生まないでほしいんですけど、寝る前に「私は天才」って何回か唱えたりもしています。
下駄
何回唱えてるんですか。
渡邊
5回ぐらい唱えてます。思い込みの力が大事だなと思って。
下駄
誤解されるかもと思ったのは、自分が変な人なんじゃないかとみんなに思われるんじゃないかって思ったってことですね。
渡邊
そうですそうです。だから寝る前に唱えて自分の力を引き出すようにしてます。
下駄
やっぱ引き出されますか?
渡邊
そうなった気がします。
下駄
おー。でもぼくは唱えないかな。
渡邊
なんで。
下駄
唱えるまでもないと思ってるのかもしれない。
渡邊
なるほど、もうすでにあるからね。
下駄
そうです。ぼくは俳優ってみんなその人にしかできないことをやってると思ってるんです。そういう意味だと、みんな天才。天から与えられたあなたなりの才能がある。渡邊さんも天才だし、ぼくも天才だし、もうみんな天才です。
渡邊
すごい良いまとめをありがとうございます。では、最後のコーナーですね。
まな実に聞く、海外芝居のリアル
下駄
はい、では次のコーナーです。「まな実に聞く、海外芝居のリアル」。先輩は七つの海を股にかけ、各国で活躍している俳優だと聞いています。
渡邊
そういう機会がありましたね。
下駄
ちゃんと女神の前髪を掴んだんですね。
渡邊
そうです。
下駄
ぼくはこの小さな島国・日本国に収まっている人材なんですけれども、これから海外での活動も頑張っていきたい。Netflix独占配信ドラマとかに出て、インターネットの力も借り、世界各国、を飛び回っていきたいなと思っておりますので、その先輩である渡邊さんに、ぜひ海外芝居のリアルを聞きたいなと思っています。
渡邊
舞台で行く機会があって、ヨーロッパに行ったり、韓国、中国行ったり、どれもすごい良かったんですけど、ブラジルがすごいよくて。
下駄
ブラジルが。やっぱシュラスコとかですか。
渡邊
そうです。シュラスコはちょっと食べれなかったんですけど。
下駄
ああ、もったいないですね。
渡邊
ちょっとお高くて。
下駄
確かに肉の塊がいっぱい刺さってますから、ちょっと高いですね。
渡邊
サンパウロに行って。
下駄
サンパウロって首都でしたっけ。
渡邊
首都は、えっと、、、
下駄
今ラジオなんでポーズは全然見えないですけど、今先輩はは手を横に広げてますね。首都は手を横に広げてローブをきてる偉人の像があるところですよね。サンパウロにこの像はない。
渡邊
そうそう。サンパウロには、野生のカピバラがいます。カピバラってブラジル出身らしいです。
下駄
そうなんですね。
渡邊
車でみんなで移動してる時とかにカピバラが見えて楽しいです。ブラジルは10月ぐらいに行ったんですけど、日本と反対なので、初夏くらいでした。
下駄
サバンナの八木もよく言ってますね。地球の反対側だって。
渡邊
みんなサンバの練習してました。
下駄
やっぱリオに向けて?
渡邊
あ、リオだ!
下駄
首都、リオですね*!なるほど、リオのカーニバルに向けてみんな練習をしてたと。
サンパウロに次ぐ第二の都市リオデジャネイロのこと。ブラジルの首都は実際にはブラジリア。
渡邊
そうなんです。たまたま練習会に参加できて。そしたら、サンバチームのリーダーみたいな人がステージ上で、「みんなと今日出会えたことに感謝」みたいに言っていて、わたしもよかった!と情熱的な気持ちになりました。
下駄
やっぱり情熱の国なんですね
渡邊
情熱を感じる国でした。お芝居やった後も、もうスタンディングオベーション。
下駄
みんなやっぱ情熱的に!
渡邊
私も、ここに来てよかったみたいな気持ちになりました。
下駄
なるほど。
渡邊
なかなか日本だとスタンディングオベーションでの拍手って体験したことがないから、国ごとの受け入れられ方の違いを肌で感じました。
下駄
なるほど。ぼくも一回だけすごい客席熱狂してるなみたいな時ありました。『仮想的な失調』の初ステを吉祥寺シアターでやった時、めちゃくちゃ客席から熱を感じましたね。上演中も普段の円盤に乗る派では想像できないような笑いが起きたりしてたし。でもそんなことがあると思ってなかったので、残念ながらダブルコールの練習もしてなくて、ダブルコールなく終わってしまったんですけど。なんでこんなことが起きてるかわかんないなとカゲヤマさんやみんなと話して、観客はやっぱり好きなように見るんだなと改めて実感しました。
渡邊
そうですよね。でも、反応もらえるとすごい嬉しいということに、ブラジルでは気づきましたね。
下駄
逆に反応が薄い国もあるってことですか?
渡邊
反応ない国とかもありますね。「シーン……」みたいな。ドイツとかが結構印象的で、ドイツは作品を娯楽としては見ていないと言われていて。面白いシーンとかも一切笑いが起きない。しみじみ味わって見るんだけど、アフタートークとかは全員が残っていて議論が起きるみたいな感じでした。
下駄
そんなに国によって違うことを知っていったら、国によってやりかたを変えたりとかは起きないんですか?
渡邊
自分が変わんなくても、国がもう自然と変えてくれるという感じでした。
下駄
同じようにやってるつもりでも、国の影響により変わるということですね。そしたら、その国での最初のステージはやっぱりびっくりしますよね。
渡邊
そう、びっくりする。こういう反応があったんだって気づかされます。
下駄
いろんな国を経由していくと、どんどん変化が蓄積されるじゃないですか。
渡邊
経験値みたいな感じですね。
下駄
じゃあ、もうどんなお客さん来ても大丈夫?
渡邊
そうだね、うん。
下駄
例えば、よく笑うお客さんがいる回とかがあるじゃないですか。それ自体が悪いとかじゃないけど、普段と雰囲気が違うなと思うことがあるじゃないですか。ほかにも、壁の薄い劇場で工事の音が聞こえてくるような環境の時とか。そういうときも対応できるようになっていますか?
渡邊
できますね。中国では、演劇の開演の合図が銅鑼でした。それは流石に、最初に登場する人はちょっと変わっていたような気がします。しかも客席の傾斜がすごい高い。
下駄
万里の長城とか作ってるから高いのが得意なんですかね*。
万里の長城は実際は横に長い。長さ21,196 km、高さは平均7~8m。
渡邊
そういうことなのかな。客席の上の方は本当に見上げる感じになってました。
下駄
これまでは首を平行で保ってたけど、上を向いちゃったりとかしたんですか?
渡邊
なっちゃってましたね。劇場の形も毎回違うので、それに合わせてという感じでした。
下駄
それは日本でも起こりますもんね。吉祥寺シアターも中国と同じく階段上の客席だけど、東京芸術劇場のシアターウエストだと、舞台の方が高くてどちらかというと見下ろす感じになってました。
渡邊
中国ではレーザーポインターをお客さんが持ってたりもして。
下駄
これが渡邊さんだよって客席から照らされるってことですか?
渡邊
記憶が曖昧なんですけど、「レーザーポインターを照射する行為はやめてください」みたいなアナウンスも流れてた気がします。
下駄
舞台上からは赤い点が見えるってことですよね。
渡邊
そうそう。
下駄
そんなことされたら演技変わっちゃいますよね。
渡邊
びっくりはする。下駄さんはどこの国にいきたいとかありますか?
下駄
やっぱフランスじゃないですか。おしゃれな気持ちになりたい。
渡邊
パリにいきましたけど、おしゃれな気持ちになりましたよ。シャンゼリゼ通りも行ったし、エッフェル塔も見ました。
下駄
通天閣に似てると噂のエッフェル塔ですね。
渡邊
え、そうなんだ知らない。
下駄
海外に行く前に大阪に行った方がいいですよ。
渡邊
そうだよね。大阪はちょっとあんまり行ったことないな。
下駄
フランス語しゃべってたんですか?
渡邊
そう、ボンジュールみたいな。
下駄
ほかは?
渡邊
ボンソワーとか。
下駄
「こんばんは」ですね
渡邊
ありがとう、なんだっけ。
下駄
「メルシー」ですね
渡邊
すごい。もうフランス行けるね。
下駄
確かに。
渡邊
フランスはルーブル美術館とかもあるよ。
下駄
三角形があるところですよね。
渡邊
そうそう、建物が三角形で。モナリザを見たりとか。
下駄
モナリザって意外と小さいって聞きます。
渡邊
厳重に管理されてるから、一番近くで見たとしても遠い。
下駄
歴史感じました?
渡邊
ダヴィンチ。いいよね。こういうポーズの、、、
下駄
また手を平行に広げたポーズをとってます。あれですよね、手が上から下に連なってるやつ。
渡邊
そうそう。あれとかすごいよね。解剖されちゃってる気持ちになりますよね。
下駄
あ、解剖されちゃったって思うんだ。共感してるんですね、
渡邊
やっぱすごい人なんだなって思います。解剖図をみると、ただ書いてるだけじゃなくて、人体のことが含まれてるなと。
下駄
ダヴィンチには結構いい印象があるんですね。
パリのお客さん、どんな感じだったんですか。
渡邊
パリのお客さんはすごい咀嚼してくれる感じだった。ドイツとはまた違う感じで。日本の作品はこんな感じか、みたいな。
下駄
なるほど。これから僕が海外に行くこともあるかもしれないじゃないですか。なんか心構えとかあります?
渡邊
コンセントがみんな違う。
下駄
それは海外旅行Tipsですよね。それは自分で別で調べられます。パスポートの取得は意外と時間がかかるから早めの申請がいいよとかじゃないんですよ。
渡邊
そうだよね。でも海外に行くとご飯とかすごく美味しいのよ。フランスとかだと「タルタル」っていう料理があって。
下駄
魚叩いたやつですか。
渡邊
あ、お肉の「タルタル」。
下駄
生肉か。
渡邊
そう。そういうのおいしくて食べちゃうんだけど、胃腸が弱い人だとあたっちゃうかもしれないから気をつけて。
下駄
確かに。でも、そういうの食べないようにした方がいいんじゃないですか。
渡邊
やっぱ美味しいから食べたくなるよ。
下駄
食べたくなって食べちゃうんだ。
渡邊
ワインとかも飲んじゃう。
下駄
そういう料理ってお高いんじゃないですか?
渡邊
でも、1500円ぐらいだったかな。
下駄
じゃあ、美味しいものが多いんだけど食べすぎて胃腸を壊さないように、ということが渡邊さんが俳優としてぼくに伝えたいことなんですね。
渡邊
身体が大事だからね。
下駄
僕、もっと演技のこととか聞きたいんですけど、
渡邊
下駄さんは本当に素晴らしい俳優さんだから大丈夫。
下駄
ありがとうございます。
渡邊
海外でもやっていけるよ。
下駄
それはすごい勇気づけられますね。
渡邊
本当、お腹だけ気をつけて。
下駄
お腹ですね。
一個気になったこととしては、上演を重ねる中で変わっていくみたいなことをどう捉えればいいんだろうと思っていて。《円盤に乗る派》は、初日から千秋楽まで同じ質のものを届けようみたいな思想があるんですね。お金をもらってるという意味でよくわかるなと思いつつ、海外でツアーとかすると期間も長くなるじゃないですか。長くなって変わらざるを得ないみたいなことをどう受け止めていけばいいんでしょう?
渡邊
もう、身を委ねる。
下駄
身を委ねる。
渡邊
うん、もう大丈夫。
下駄
自分の中で、これは変えないようにしないとな、とか思ったほうがいい部分とかないんですか?
渡邊
そうね、セリフとか立ち位置とかそういう決まり事みたいなのは変えないという意思は持ってる。でも、下駄さんはすでにその意思をきっと持ってるから大丈夫。
あ、でもヨーロッパだと水が硬水だったりするから、喉痛めちゃったりするから気をつけて。
下駄
硬水とお腹。
渡邊
そうそう。あと、日本の食べ物が恋しくならないように、納豆とか持って行ったりするといいよ。
下駄
税関で止められないですか、納豆。
渡邊
私は持っていったけど大丈夫だった。
下駄
へー。お醤油とかも聞きますよね。
渡邊
パパットライス持っていって、味噌汁と納豆食べたときめっちゃおいしいと思えた。
下駄
日本のご飯はやっぱり美味しい。
渡邊
美味しい。
下駄
改めて日本のことを感じられるということですね。あの、特に演技とかに関してはアドバイスとかないですか?
渡邊
大丈夫。
下駄
そんなに大丈夫って言われるんだったら、きっと大丈夫なんだろうな。あとはチャンスを掴むだけってことですね。
渡邊
そう、偶然と偶然が重なり合って。
下駄
確かに。渡邊さんという歴史的な俳優になりたい仲間もできたのでうれしいです。
渡邊
運も訓練だからね。
下駄
掴みに行く練習をします。渡邊さんも、ぼくに合う仕事があったら紹介してください。オーディションには顔をボコボコにして行って、治ったときにいい顔だねって言われて受かったりします。
渡邊
そういえば、オーディションで写真を送ってくださいって言われた時に、一番自分らしい写真がいいかなと思ってプリクラを送ったことがあるんだけど落ちちゃったね。
下駄
ぼくも制作的なことやるのでオーディション資料を見ることがあるんですけど。過去に映画のオーディションを手伝ってた時に、一人だけすごい解像度が低い写真送ってきた人がいて、逆に印象に残ってきてもらったらめちゃくちゃいい演技だったという話もあります。藤原竜也も、何回も落とされたけど、好きなスタッフさんが復活させたみたいな話も聞きますし。そういう運とか出会いも大事なんだなと思いますね。
話は尽きないところですが、そろそろお時間になりました。今回ゲストに来ていただきましたけど、どうでしたか。
渡邊
すごい充実していたと思います。
下駄
充実してましたか。そう言っていただけて、聞いてくれる方も喜んでくれるかな。
渡邊
大成功です。
下駄
それでは皆様、また歴史の一ページでお会いしましょう。お相手は日和下駄と、
渡邊
渡邊まな実でした。
下駄
さようなら。