流刑地エウロパ

Artwork by Tomohito Wakui

常識の崩壊した世界に、人間らしくあり続けるためのフィクション


2018年に製作・上演された『流刑地エウロパ』(当時はsons wo: 名義)を2021年の東京で再演する。登場人物たちは閉じられたコミュニティでユートピア的な日常を淡々と送るが、実は彼らは木星の衛星エウロパに向かう宇宙飛行士たちの「もうひとつの可能性」である存在だった。不確かな世界との接触、思索の先に、彼らは自分たちの住んでいるのが本当は地球ではなく、地球を偽装したエウロパであったのかもしれないという仮説に至る。ポスト・トゥルースという言葉が流行し、共通の認識が信じられなくなってしまった不安定な世界の中で生きていくことのリアリティに迫る作品。


(ストーリー)
世紀の大犯罪者ケニー・G(ゴジマ)は1993年、遥か木星の衛星エウロパに流刑された。それから10 年。調査隊の一団はゴジマの生死を確認するため、探査船「タイタニックゴウ」に乗り込み、木星に向けて航路をとった。

2年後、どこかの隔離された村。そこでは5人の人々が気ままな生活を送っている。空には軍事衛星が常に浮かび、”コブラトップ”と呼ばれる人工知能が生活の全ての面倒を見ていた。 その村に、かつて東京で劇作家をしていたという人物がやってくる。彼は他に人がいることを知らないまま近隣でしばらく生きていたが、ここに村があるのを偶然見つけて訪れたのだという。人々は彼を迎え入れ、一緒にピクニックに行くことにする。

ピクニックの前日、その中の一人が、調査隊の一団が木星に近づいているのを感じ始める。彼らは実は高度なテクノロジーによって存在させられた、宇宙飛行士たちの「もうひとつの可能性」なのだった。遥か遠くの「もうひとつの可能性」の存在を、彼らはただぼんやりと感じていた。

ピクニックに行った場所で、彼らはたまたま日記を発見する。それは大犯罪者ケニー・G(ゴジマ)の日記だった。それによると、どうやら彼は冒険の末に未来の世界に到達し、そこで高次の存在に出会い、新しい知覚を得た。元の時代である1993年に戻ってきた彼は、なぜかエウロパに流刑されたことになっていたのだという。しかしなぜエウロパにいるはずのケニー・G(ゴジマ)の日記がその場所にあったのかは、依然として謎だった。

ピクニックから帰ってきた翌日、日記を最初に発見した男が”コブラトップ”に殺される。殺した理由を”コブラトップ”に問いただすが、答えは要領を得ない。安全のためには”コブラトップ”を停止させるしかないが、全ての管理を”コブラトップ”に任せている以上、停止させたら元の家に帰る方法すらわからなくなってしまう。人々は逡巡するが、結局”コブラトップ”を停止させることにする。

“コブラトップ”を停止させると、そこに大犯罪者ケニー・G(ゴジマ)が現れる。そこで彼が語ったのは、この星が本当は地球ではなく、地球を偽装したエウロパなのだという、にわかには信じがたい話だった。高次の存在たちは、1993年に地球をエウロパにインストールしたのだという。この星に生きる人々はそこで初めて存在し始めたのであって、1993年より前の歴史は本当は存在しないのだった。彼らは本当の地球にたどり着いているであろう、自分たちのもうひとつの可能性としての存在である宇宙飛行士たちに思いを馳せるが、それでもこれまでと同じように生きていくことにし、村を出る。

◆流刑地エウロパ

会期

2021年2月6日(土)〜8日(月)

会場

BUoY http://buoy.or.jp/
東京都足立区千住仲町49-11(墨堤通り側入り口)

人々

【作・演出】カゲヤマ気象台*【出演】小山薫子(ままごと)【出演】キヨスヨネスク【出演】佐藤駿【出演】田上碧【出演】畠山峻*(PEOPLE太)【出演】日和下駄*【映像】涌井智仁【照明】みなみあかり(ACoRD)【制作】河野遥(ヌトミック)【制作補佐】河﨑正太郎(譜面絵画)【字幕翻訳】山田カイル(抗原劇場)
*=円盤に乗る派プロジェクトチーム

カゲヤマ気象台

1988年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。東京と浜松の二都市を拠点として活動する。 2008年に演劇プロジェクト「sons wo:」を設立。劇作・演出・音響デザインを手がける。2018年より「円盤に乗る派」に改名。2013年、『野良猫の首輪』でフェスティバル/トーキョー13公募プログラムに参加。2015年度よりセゾン文化財団ジュニア・フェロー。2017年に『シティⅢ』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。

小山薫子(ままごと)

小山 薫子(おやま かおるこ)1995年生まれ。俳優。物や環境音、気配と同価値に存在する事を体、声を使い試行している。2018年、多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科を卒業後、劇団「ままごと」に加入。同年、劇ユニット「humunus」を結成。出演作品は、ままごと『ツアー』、円盤に乗る派『正気を保つために』、H-TOA 『moving』など。humunusでは『海足を踏めない』、『し/ま』を創作、上演。

キヨスヨネスク

1992年生まれ。俳優。多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科卒業。劇ユニット「humunus」結成。声と身体の関係から、風景とそれらを構成する"空間の肌理"をいかに「うつし」「かたどる」かをテーマに活動。
主な出演作に、KUNIO14「水の駅」、円盤に乗る派「清潔でとても明るい場所を」、ホモフィクタス「灰と,灰の灰」、humunus「海足を踏めない」など。

佐藤駿

1990年生まれ。大学在学中から、映像制作・演劇出演などをはじめる。撮影を担当した『Sugar Baby』(隈元博樹監督、2010)が水戸短編映像祭審査員奨励賞受賞。身体を内側から観察する俳優と、身体を外側から観察する映像制作の間で、演じられる場の「編集」の問題を考えるために「犬など」という集まりを主宰している。最近の主な出演に、屋根裏ハイツ『ここは出口ではない』、バストリオ『ストレンジャーたち/野生の日々』など。

田上碧

2014年ごろより、歌を主軸に活動を始める。歌うことの行為や現象としての側面を浮き彫りにするパフォーマンスや、歌と語りを織り交ぜた楽曲の演奏、即興演奏や詩作など、多様だがシンプルな実践を通して、声と体による表現の可能性を探っている。
ソロ活動の他に近年出演・参加したプロジェクトに、高山明/PortB『ワーグナープロジェクト』(2017)、かさねぎリストバンド(2016〜)、円盤に乗る派『清潔でとても明るい場所を』(2019)など。
http://aoitagami.com/

畠山峻(PEOPLE太)

1987年北海道札幌市生まれ。舞台芸術学院演劇部本科卒。俳優としてブルーノプロデュース、20歳の国、亜人間都市などの作品に出演。カゲヤマ気象台の作品では『おはようクラブ』『野生のカフカ@おいしいカレー』『流刑地エウロパ』などに出演。演劇ユニットpeople太では演出をしています。

日和下駄

1995年鳥取県生まれ。横浜国立大学卒。俳優、ライター。2019年より円盤に乗る派に所属し、以降のすべての作品に出演。「人間が集まること」と「設定を考えること」が好き。
https://note.com/hiyorigeta/n/ned45dd5bbd47

涌井智仁

1990年新潟県生まれ。美術家。音楽家。主な個展に「蒼い優しさに抱かれて」(ナオナカムラ、東京、2012年)、「Long, Long, Long」(Garter、東京、2016年)、「nonno」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京、2016年)

みなみあかり(ACoRD)

舞台照明家/ACoRD代表/舞台照明デザイナー

遅れて迎えた思春期を謳歌している人。演劇を中心にミュージカル・バレエ、エンタメに限らず小劇場からホールやバーチャルステージまで、ジャンルにとらわれず作品に光を灯す。

円盤に乗る派では「正気を保つために」「清潔でとても明るい場所を」に引き続き照明デザインを担当

Twitter/Instagram:@akariMinami

河野遥(ヌトミック)

1996年生まれ。国立音楽大学卒。大学でクラシック音楽を中心に、アートマネジメントや文化政策を学ぶ。4年次より舞台芸術の制作者としてキャリアをスタート。演劇カンパニー・ヌトミックに所属。現在はフリーランスで所属団体のほか、小・中劇場の舞台芸術 / 個人ユニットを中心に制作を務める。

河﨑正太郎(譜面絵画)

1999年生まれ。大阪府出身。
高校では、ケアハウスや特別支援学校でのコミュニティダンスや、大阪府大阪市西成区でのアートによる社会包括リサーチなどを経験。
大学入学後は、公共劇場における社会包括事業やアートマネージメントなどを中心に学ぶと共に、演劇団体である譜面絵画に所属し、制作を務める。

山田カイル(抗原劇場)

演出家/ドラマトゥルク。抗原劇場代表。1993年テキサスに生まれ、その後青森で育つ。『後ほどの憑依(TransLater)』『NOT IN KANSAS』など。Art Translators Collective のメンバーとして翻訳家/通訳者としても活動。また、若葉町ウォーフアシスタントプロデューサーとして、アジアの舞台芸術実践者のコミュニティ形成に取り組んでいる。

開演日時

2021年2月 6日(土) 7日(日) 8日(月)

14:00

18:00


=公開ゲネプロ


※受付開始は開演の30分前・開場は開演の30分前

会場


http://buoy.or.jp/

東京都足立区千住仲町49-11(墨堤通り側入り口)


チケット料金

一般:¥3,000
TPAMプロフェッショナル:¥2,500
公開ゲネプロ(2/6 14:00の回):¥2,500(一般・プロフェッショナルとも)

※日時指定・全席自由
※未就学児童はご入場いただけません。
※TPAMプロフェッショナル料金でご予約のお客様は、当日受付にてTPAMパス(スマホ画面可)をご提示ください。
※プロフェッショナルについてはこちら https://www.tpam.or.jp/2021/registration

ご予約

円盤に乗る派shop 【予約開始:1月16日(土)正午】
※クレジットカードもしくはコンビニ決済での事前入金のみとなります。別途、2%の発券手数料(コンビニ決済の場合は+200円)がかかります。
※上演時間:70分(予定)

【※ご一読ください】 新型コロナウイルス感染症対策ご協力のお願い

【TPAMフリンジ参加作品】
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