フライヤーデザイン:村尾雄太
資本主義社会で生きるアナタに…
幽霊はここにいる
(作・安部公房)
会期
会場
森下スタジオ Cスタジオ(東京都江東区)
「……それはまァ、いろいろいうけど、けっきょく今の世の中のうごきは、すべて商品価値というものに解消していくわけでしょう、そういうもののなかに、はまりこんじゃった幽霊だな。つまり、実体のない純粋な商品のことですよ。……じつにナンセンスな世界だが、これが現実でね。」*
演劇プロジェクト《円盤に乗る派》は、2027年4月に座・高円寺1にて上演予定の新作公演に向けたクリエーションの一環として、安部公房の初期戯曲『幽霊はここにいる』(1958)の上演を試みる。
『幽霊はここにいる』は、架空の町《北浜市》を舞台に、詐欺師の大庭と、戦友の幽霊が見えると語る青年・深川の出会いによって巻き起こる騒動を描いた、ナンセンスで不条理な喜劇だ。姿の見えない「幽霊」の存在によって加速度的に経済が動いていくさまは、資本主義社会への風刺であり、戦後という不安定な歴史的状況を映し出しているようでもある。しかしここで描かれているような幽霊は、2026年の現在、さらに強大かつ不気味に、さらにふてぶてしく、その存在感を示しているのではないだろうか?
《円盤に乗る派》はこれまで、現代社会の中で疲弊した身体によりそう演劇作品を幾度となく上演してきた。本作から始まる一連のシリーズではそのテーマを真正面から取り上げる。いまの時代を生きる私たちの身体にまとわりつく幽霊の手触り、その冷たさを感じとっていただけたらと思う。
「幽霊だけが異常なんで、あとはもうぜんぜん異常でない――ということが異常なわけで……もう、笑うしかない世界だ。」*
*「稽古場にて――安部公房・千田是也両氏にきく」(『安部公房全集008』(1998年、新潮社)収録)より
安部公房について
1924年東京生まれ。満州国奉天(現・瀋陽市)にて育つ。東京帝国大学医学部に留学するが、一時帰郷中に敗戦を迎え、引き揚げまでの混乱期に医学生ながら医療班に従事、大量の死者と直面する。引き揚げ後は大学に復学し卒業するが、生涯医師になることはなかった。1948年、『終りし道の標べに』で小説家デビュー。1951年 に短篇「壁 - S・カルマ氏の犯罪」で芥川賞を受賞。同時期に日本共産党に入党する(後に除名)。
その後は小説のみならず、演劇、映画シナリオ、ラジオドラマやテレビドラマのシナリオ・企画・演出など、メディアを横断して活躍。1973年には自身の演劇集団「安部公房スタジオ」を発足させ、西武流通グループ(後のセゾングループ)代表・堤清二の後援によって西武劇場(後のPARCO劇場)を拠点に活動を行った。 海外からの評価も高く、ノーベル賞にもっとも近い作家と言われたが、1993年に68歳にて没した。
代表作として、小説に『砂の女』、『燃えつきた地図』、『箱男』、戯曲に『友達』、『緑色のストッキング』など。
人々
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劇作家。1988年静岡県浜松市生まれ。演劇プロジェクト《円盤に乗る派》代表。2015年よりセゾン文化財団セゾン・フェローに選出。『シティⅢ』で第17回AAF戯曲賞大賞受賞。代表的な作品に『仮想的な失調』(《東京芸術祭 2024》プログラム)、『「いまのところまだ存在しているわたしのたましいが……」』(2026)など。共同アトリエ/コミュニティである《円盤に乗る場》を2021年より運営中。
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1992年生まれ。アクター。横浜国立大学大学院都市イノベーション学府建築都市文化専攻Y-GSC修了。演劇ユニット「humunus」で活動。東日本大震災やコロナ禍を経て、人間と非人間の活動の重なりにドラマを見出し、それらを音声-身体表現の新たな方法の探究を通して作品化する、ポストヒューマンの上演実践に取り組んでいる。2020年から福島県双葉郡富岡町に拠点を構え、『うつほの襞』プロジェクトを開始。ツアーパフォーマンスとガイドブックの制作を行う。他、福島、沖縄、山口などの各地で「遺骨」捜索と収容活動に参加。近代の国家的事業/事件と、土木、土地の形質、遺骨の関係から、〈慰霊・上演〉について考えている。
俳優。石川県七尾市出身。
2007年から2018年まで劇団〈重力/Note〉に参加。
2019年より、石川県七尾市にて、演劇を学ぶ大学生の能登滞在制作「ノトゲキ」の運営とコーディネートを行なっている。
近年は俳優として、お布団『アンティゴネアノニマス‐サブスタンス/浄化する帝国(原案:ベルトルト・ブレヒト)』小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク『言葉だけでは満ちたりぬ舞台』『フィジカル・カタルシス』『すべては原子で満満ちている』『ウエア(原作:池田亮)』『氷と冬』『セイ(原作:池田亮)』、『再生(原案:多田淳之介)』、新聞家『失恋』『フードコート』、武本拓也『庭の話』、地点『マクベス(原作:ウィリアム・シェイクスピア)』、ノトゲキ番外特別上演『能登版・銀河鉄道の夜(原作:宮沢賢治 / 構成・演出:中村大地)』、譜面絵画『Terra Australis Incognita(横浜ver.)』、BEBERICA theatre company あかちゃんとおとなのための舞台芸術・ベイビーシアター『What is Like?』『物語を旅する ~お空のせかい~』、屋根裏ハイツ『ここは出口ではない』『パラダイス』『父の死と夜ノ森(作:松田正隆)』、山本伊等『配置された落下』、ルサンチカ『エンドゲーム(作:サミュエル・ベケット)』、『台湾/韓国/日本-舞台芸術国際共同制作-Othello/奧賽羅 [ver.3.0](原作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:百瀬友秀)』などの作品に参加している。1987年生まれ 北海道出身。舞台芸術学院演劇部本科58期卒。
円盤に乗る派プロジェクトメンバー。俳優としてお布団、生西康典、亜人間都市などの作品に出演。個人演劇ユニットPEOPLE太(ピープルフトシ)としてもゆるやかに活動中。1995年鳥取県生まれ。2019年より円盤に乗る派に参加。以降のすべての作品に出演。特技は料理、木登り、整理整頓、人を褒めること。人が集まって美味しいご飯を食べることが好き。下駄と美味しんぼに詳しい。
1990年生まれ。映画美学校アクターズコース5期修了後、2016年から2025年まで演劇カンパニーヌトミックのメンバーとして活動。
過去の出演団体に、フィラメント、小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク、ブルーエゴナク、ワワフラミンゴ、松田正隆、玉田企画など。静岡県焼津市地元
今年はちゃんと俳優と名乗っていくキャンペーン2年ほど前からDr.HolidayLaboratoryのメンバーにもなりました。良い感じです。児童福祉の仕事は6年目になりブンブン現場を回しています。今まではエンニュイ、スペースノットブランク、ワワフラミンゴ、宝宝、ほろびて、白昼夢、などなんだか色々な場所に呼んでもらえて嬉しいです。最近は一人暮らしを始めまして人とも1人でもやりたいことがまだまだあることが分っちゃって現状健康です! -
1988年京都市生まれ。吉本有輝子氏に師事。京都大学在学中よりアトリエ劇研の運営に携わるのと並行して国内外でパフォーミングアーツの照明デザインを手がける。近年は国際芸術祭「あいち2025」、横浜国際舞台芸術ミーティング2023など国際舞台芸術祭・ミーティングでのコーディネートも担当している。
主なデザイン作品に、ポスト舞踏派「魔笛」(振付・演出 笠井叡/2025.7神戸文化ホール)、Apichatpong Weerasethakul “A Conversation with the Sun(VR)”
(2025.1 One Bangkok, Thailandほか)、贅沢貧乏「おわるのをまっている」(脚本・演出 山田由梨/ 2024.12 シアタートラム)など。2024年度日本照明家協会賞奨励賞、2020年度同新人賞受賞。 -
1992年生まれ お布団所属
学生時代から都内小劇場を中心に舞台音響家として活動。
2016年以降、所属劇団のお布団での公演をきっかけに照明やその他のセクションの兼任をするようになる。
近年は自主企画等も行い、演劇のフィクション/ノンフィクション性について考えながら創作活動に携わっている。 -
衣装家。演劇をつくる団体『隣屋』所属。生活の中にある習慣や行為、空間といった【環境と身体の関係】をテーマに舞台衣装を製作。衣装によって身体を拡張したり、環境そのものを衣装にすることで、環境と身体を介在するエネルギーの双方向性に目を向け、衣装を通して“普段もそこにあるのに見えにくい人間の有り様“を探る。近年は仮面作りWSや特定の土地をテーマにした衣装展示なども発表している。
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⼤分県出⾝。2006年より舞台監督として活動。
フリースペースから⼩劇場、⼤劇場、野外など場所を問わず、ストレートプレイ、ミュージカル、ダンス、ロボット演劇など、performing arts の枠内にて国内外で活動。俳優/舞台監督。青年団とウンゲツィーファに所属。現代川柳人としても活動し、川柳結社「蜂」に所属。
ムニ、ウンゲツィーファ、ゆうめいなどに舞台監督をしながら出演したりしています。 -
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グラフィック・デザイナー。1990年生まれ。アート、ファッション、音楽などの領域に関わるグラフィックデザインやブックデザイン、ウェブデザインのプロジェクトに携わる一方、2017年よりデザインスタジオwellのメンバーとしても活動を行う。yutamurao.com
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1992年港北ニュータウン生まれ。
2021年『F』(Glacier Bay Books)にてデビュー。
2024年『フラッシュ・ポイント』にて第5回トーチ漫画賞榎本俊二賞受賞。
2025年白髪が突然増えた。トーチwebにて『ああ資本主義の悪の華はいつまで咲き誇るのか。』連載中
https://to-ti.in/product/ahshiho -
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1990年広島県生まれ。会社員。エッセイを書く。「ちょっとしたパーティー(@A_little_party)」という名前で餅つきや同人誌作り等々に勤しんでいる。
note: https://note.com/suzu_shibuki -
1995年生まれ。カリフォルニア州サンタモニカ出身。劇作家、演出家、批評家、Dr. Holiday Laboratory 主宰。
2021年、サミュエル・ベケット作品における修辞学の研究で、早稲田大学大学院文学研究科表象メディア論コース修了。
主な舞台作品に『脱獄計画(仮)』(2023年、こまばアゴラ劇場)、『想像の犠牲』(2024年-2025年、ロームシアター京都ノースホール/吉祥寺シアター)など。
近年は他ジャンルの引用やオマージュを用いながら、メタ的な構造を多重に構築し、劇中の役とそれを演じる俳優の関係にある政治性を主題とする演劇作品を発表している。
2024年、主宰するDr. Holiday Laboratoryにて「ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム“KIPPU”」採択。2025年、批評家の山﨑健太氏が主宰する批評紙『紙背』のプログラム「紙背フェロー」採択、2024年9月〜12月にかけて舞台時評掲載。
その他の仕事として、チェルフィッチュ『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』(2023年〜)で演出助手、『ユリイカ』へのエッセイ掲載(2025年10月)、リイド社のweb漫画雑誌『トーチweb』でエッセイ連載「ひまの演出論」(2023年〜)など。 -
長崎県出身。舞台芸術においてパフォーマーとアートマネージャーの両軸で活動し、上演に対する異なる距離感からの言語化や作品理解を通して、クリエーションへのフィードバックを実践する。傍ら、日記/テキストの執筆、植物の預かり、味覚や嗅覚を出発点に「接触」の捉え直しを実践する調理/食事を用いたプロジェクト(culinary art)を展開。2022年から2024年頃まで、こまばアゴラ劇場制作部での勤務、PARAスタッフとして演劇部門の企画・運営を担当。バストリオ、con-cen/consonant centreのメンバー。
cv : https://chujorei.com -
長崎県出身。舞台芸術においてパフォーマーとアートマネージャーの両軸で活動し、上演に対する異なる距離感からの言語化や作品理解を通して、クリエーションへのフィードバックを実践する。傍ら、日記/テキストの執筆、植物の預かり、味覚や嗅覚を出発点に「接触」の捉え直しを実践する調理/食事を用いたプロジェクト(culinary art)を展開。2022年から2024年頃まで、こまばアゴラ劇場制作部での勤務、PARAスタッフとして演劇部門の企画・運営を担当。バストリオ、con-cen/consonant centreのメンバー。
cv : https://chujorei.com
- 主催
- 円盤に乗る派
- 助成
- 公益財団法人セゾン文化財団
底本:安部公房戯曲全集
©1970 安部公房
協力:Abe Kobo Official through Japan UNI Agency, Inc.
東京舞台芸術祭 2026 Open Call Programs 参加作品
料金
全席自由・税込
一般:3,500円
当日券:4,000円
※未就学児入場不可。
※車いす利用の方、補助犬同伴の方はチケット購入前に円盤に乗る派までお問い合わせください。
チケット
会場
森下スタジオ Cスタジオ
〒135-0004 東京都江東区森下3丁目5−6
※都営新宿線、都営大江戸線「森下駅」 A6出口 徒歩5分
※東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線「清澄白河駅」 A2出口 徒歩10分
お問い合わせ
050-3631-4380
info@noruha.net